公開講座「マクドナルドの経営改革」を開催しました

 

政治経済学部では11月29日に湘南キャンパスの松前記念館講堂で、公開講座「マクドナルドの経営改革」を開催しました。講師を務めた原田泳幸氏は本学の卒業生(1972年工学部卒業)で、現在は日本マクドナルドホールディングス株式会社の代表取締役会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)を務めています。実業界で注目されている原田氏の講演会とあって、本学部に限らず他学部からも学生や教職員が詰めかけて会場に入りきれない人が出るほどの盛況ぶりで、約800名が聴講しました。

講演に先立ち本学部の小中山彰学部長が、長年にわたってIT業界で活躍し、1997年にはアップルコンピュータ株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社副社長に就任した原田氏が、2004年には異業種である日本マクドナルドで働くことになるまでの経歴を簡単に紹介しました。その後、「久しぶりに母校に来ることができてうれしい」と笑顔で原田氏が登壇。「大学時代は勉強一辺倒というよりも、軽音楽部でドラムに熱中し、さまざまなアルバイトにも精を出していました。大学での学びは大事ですが、それよりも社会人になってから自分の意思で学び続けることが大切だと思います」と語りかけました。

「グローバル時代に求められるもの〜マクドナルドの改革より〜」をテーマにした講演で原田氏は、1971年に創立された日本マクドナルドの歴史を紹介。創成期(1971年〜)、成長期(1977年〜)、低速期(1992年〜)、回復期(2004年〜)、構造改革成長期(2008年〜)と、現在に至るまでの41年間の歴史を振り返りつつ、「経営者は業績が苦しくなった時に改革を考えますが、それでは企業の体力がないために失敗してしまいます。業績が好調の時期にこそ、痛みを伴う改革をするのが成功の秘訣です」と述べました。また、改革のポイントとしては、「基本に戻る」「“らしさ”を取り戻す」ことのほか、グローバルの強みを徹底的に強化し、お客様への商品価値を向上させることが大事だと解説。さらに、グローバル社会である現代では英語を話せることが第一条件だと言いながらも、「日本語を正しく話すことができ、日本の文化を知ったうえで、初めてグローバルな思考を持つ国際人と言える」と訴えました。

講演終了後の質疑応答では、「学生時代に何をすべきか教えてほしい」「こんな学生は採用したくない。もしくは、こんな学生だったら採用したい、という人物像を教えてください」など、就職活動にかかわるような質問に加え、「もしもスターバックスがハンバーガーを販売するとしたら、原田社長はどのように対応されますか?」「逆境の中で自分なりに頑張ったと思うエピソードを教えてください」など、経営者としての原田氏の考えを知ろうとする質問も次々と寄せられました。最後に原田氏は、「改革には痛みが伴いますが、トップは最後までやり抜く“心”が大事です。アイデアを考える時は大胆に、それを実行に移す際には慎重に、を心がけています」と、リーダーとしての心得を学生たちにアドバイスしました。