キャンパス便り (01)

東海大学湘南キャンパス

材料科学科の宮沢靖幸教授が貴金属に関わる研究助成金を受賞しました

工学部材料科学科の宮沢靖幸教授がこのほど、田中貴金属記念財団の「貴金属に関わる研究助成金」でMMS賞を受賞しました。これは、田中貴金属グループによる貴金属が開く新しい世界へのさまざまなチャレンジを支援することを目的とした研究助成金制度で、貴金属が貢献できる新しい技術や賞品の実用化に向けて研究・開発を行っている個人やグループに贈られるものです。

宮沢教授は、「Ag添加によるろう付時の母材劣化現象抑制効果」のテーマで受賞しました。ステンレス鋼と純銅を、銀を含むろう材を使って接合したときに、純銅とろう材の接合部(粒界)にろう材の一部が侵入してしまい悪影響を与える現象のメカニズムを分析。これまでは母材への影響を抑えるためにはろう材に含む銀の含有量を減らした方がよいとされてきましたが、実際には銀の含有量が多い方が侵入量が少ないことや、ステンレス鋼に含まれるニッケルも母材の劣化に影響を及ぼしていることを明らかにしました。

宮沢教授は、「金属同士をろう付する際にこうした現象が起こることは事前には予想しておらず、大変興味深い結果が出たと考えています。一部では金属材料は研究し尽くされているとも言われますが、今回の成果のようにまだまだわからないことが多いのが現状です。こうした基礎研究を評価いただいたことを励みに、これからもしっかりと成果を積み重ねていきたい」と話しています。