教養学部人間環境学科の学生とゼミ対抗討論会を行いました


政治経済学部経済学科の小中山彰教授と教養学部人間環境学科社会環境課程の落合由紀子准教授のゼミに所属する3年次生が12月7日、湘南キャンパス3号館のディベートルームで「ゼミ対抗討論会」を行いました。これは、経済と環境という異なる分野を研究している学生が、さまざまなテーマについて「肯定側」と「否定側」に分かれて討論するものです。一定のルールに基づき異なる立場に立って議論することで、多角的な視点を養うとともに、論理的思考能力や議論能力を身につけることを目的としています。

 

11回目となる今回は、「フェアトレードは途上国の援助となる」「日本林業の復活は対費用効果的にみて可能である」「有機農業はイメージ先行で実質的な意味はない」の3テーマを設定。3名から4名のグループに分かれて10月から調査・研究を進め、11月20日には論旨を展開したポジション・ペーパーを交換。相手側の立論を分析しながら自分たちの論旨を磨いて、質問や回答を準備しました。討論会当日は、「肯定側」「否定側」のプレゼンテーションに対して反対尋問や答弁を行った後、それぞれに最終立論を提示。傍聴した学生らによる評価シートの合計点で各チームの優劣を決定しました。

 

「有機農業」をテーマに「否定側」に立った小中山ゼミのグループは、有機肥料の危険性や、有機野菜が高コスト・高価格であることを論証。安全な農薬を使用すれば、野菜を効率よく安定的に生産し低価格で提供できると訴えて、有機農業の意義を否定しました。一方、「肯定側」に立った落合ゼミのグループは、全国で初めて有機農業を推進する条例を制定した宮崎県綾町を成功例に挙げて反論。両チームは、環境問題やコスト、農村の活性化など幅広い視点から白熱した議論を展開しました。

 

参加した学生は「相手を納得させるためには、テーマをより深く広く研究しておく必要があると痛感しました」「どうすれば言いたいことが伝わるか、相手に納得してもらえるかを考えて討論に臨みました。もっと伝える力を磨いていきたいと思います」などと感想を語っていました。小中山教授は「与えられたテーマについてデータを分析し、論理的に考えるクリティカル・シンキング(批判的思考)は、社会に出てからより重要になります。部分と全体、抽象と具体、効率化と公平性など、二つの見方の報復運動をしながら議論を深めるディベートは、その総合的な実践の場となります。今回の経験をさまざまな現場で生かしてほしいと思います」と語りました。

 

【ゼミ討論会のテーマ】
「フェアトレードは途上国の援助となる」
「日本林業の復活は対費用効果的にみて可能である」
「有機農業はイメージ先行で実質的な意味はない」