ホーム > 機構長ご挨拶
 

機構長ご挨拶

  機構長  山口 滋

平成22年度文部科学省科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進プログラム」にて「国際的研究者を育て得るメンター研究者養成」が採択され、若手研究教育人材養成の研究特区創造科学技術研究機構を設けたことはすでにご案内のことと存じます。これまで5年間にわたり、文部科学省の補助金をいただきながら、医学分野にテニュアトラック制度を導入し、続いて理工学分野に制度展開、学内外の皆様のご支援を賜り、「テニュアトラック普及定着事業」にも積極的に取り組んで、海洋学分野にも制度を拡げ学内の若手研究者採用改革が進展して参りました。これまでに、国際性ある研究者10名を採用して各研究者が知的創造からイノベーションに貢献すべく先端研究課題に挑戦してきました。既に、そのうちの何人かは専任教員として多方面の研究分野を連携・融合できるバランス感覚を持って本学の重点研究活動を担っています。2016年度には新たに、自主経費で法学知的財産権研究分野と海洋学高機能食品研究分野に計2名を採用し、さらに「文部科学省卓越研究員制度」を利用して人文学分野に教員を1名採用しました。

東海大学は、2014年度からの大学の第II期中期目標にも「教育」「研究」「社会連携」「国際連携」といった柱を掲げて、新たな社会的価値を創造していくことを使命としています。また、昨年度から本学では、学長のリーダーシップのもと、QOLの飛躍的な向上に資する総合大学を目指し、研究を通して国内外機関と連携するといった大方針を立てています。この学長方針に従い、新たな大学のブランドに掲げたQOLの飛躍的な向上を真に支える重点研究開発分野を研究担当副学長がリードして推し進めることがなされようとしています。QOLの向上とは、「豊かで質の高い生活の実現」に資するもので、国が第5期科学技術基本計画で掲げる「国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現」の方針とも合致しています。本学ではこのような研究分野をブランディング事業として進め、さらなる産学連携から社会への貢献を果たします。本機構はこのような方針に沿い活動をしています。機構に採用された医学部門テニュアトラック教員のうちの大半は専任教員としてすでにこのような大学の重点研究を担い再生・創薬・ゲノム科学といった多方面の研究分野を連携・融合しようと働いています。さらに医学・理工学・海洋学の連携を目指してバランス感覚を持って本学の重点研究活動を担ってきています。

グローバル競争の時代を迎え、「人」「もの」の流れや「社会変革」のスピードはますます加速しています。例えば、私たちの生活を支えるICTの中で単純に情報の流れだけを見ても、その量は10年で約3桁増したと言われ、社会の変化は加速しています。単に狭い専門性が高い人材を輩出していただけでは社会の要求にこたえられなくなってきていることは自明でありましょう。教育・研究を自ら先導指揮し、次代の人材、すなわち、「知的創造能力の高い人材」を指導・育成して社会に還元できることの重要性がますます高まってきています。このような流れの中で、本学は先駆的な教育・研究を通じて、我が国が世界を牽引して行くための礎を築き、グローバル研究拠点の構築を維持しながら国内外を問わずより広く地域・社会に貢献する大学を目指しています。特に、本機構では、私学で特徴づけられるトランスレーショナルリサーチを行い、イノベーションを創生するとこと、言い換えれば、研究分野同士の結びつき方を新たな分野に展開し、科学技術に変革をもたらし地域・社会に貢献できる人材育成を行っています。

本学従来の人材を大切にする思想の上にテニュアトラック制度を展開して、教育・研究力の格段の強化を行った成果は、社会貢献に反映されていることは言うまでもありません。この挑戦によって育つ人材は「真のリーダー人材」として、次の時代に向けた我が国の最大の「資源」として位置付けられるでしょう。

本機構は、創立者松前重義初代総長の精神を受け継ぎ、明日を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材を育てるという理想に沿うよう活動して参ります。今後とも、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。